2023年7月にデビューする東武鉄道 新型特急 N100系 スペーシアX。
この車両の2号車、プレミアムシートの電動リクライニング・読書灯の操作スイッチに、弊社製カスタム品をご採用頂きました。
この度、東武鉄道株式会社様より格別のご厚意を賜り、「N100系 スペーシアX」を業務視察させて頂きました。
2023年6月、東武鉄道 南栗橋車両管区 春日部支所にお邪魔させて頂きました。
スペーシアXは、浅草~日光・鬼怒川エリアを繋ぐ特急列車で、特急スペーシアの伝統を受け継ぎつつ多様にアップデートされた、フラッグシップ特急です。
外観
外観の塗装は、日光東照宮陽明門・唐門・御本社に塗られた「胡粉(ごふん)」に 着想した白で、光の当たり方により青白く見えるカラーリング。
鹿沼の組子や竹編み細工といった伝統工芸品を連想させる窓枠構造。 スタイリッシュでありながら、伝統を受け継いだフォルムになっています。
現在の電車は電力回生ブレーキと空気ブレーキが併用されており、スペーシアXについても同様のブレーキ方式を採用しています。
なお、空気ブレーキは車輪踏面に制輪子(ブレーキシュー)を押し当てる踏面ブレーキ(ユニットブレーキ)を搭載しており、この動作を実演して頂きました。
コックピットラウンジ
日光方先頭車は、ホテルのラウンジをイメージしたコックピットラウンジとなっています。
プレミアムシート
2号車はプレミアムシートとなっています。
プレミアムシートは、電動リクライニングやバックシェル構造が採用された重厚なシートが2+1列で配されています。
このシートキースイッチに、弊社製カスタム品をご採用頂きました。
この操作スイッチには、弊社の「こだわり」を詰め込みました。
スペーシアXのコンセプトに調和させるため、素材や色を慎重に吟味し、点字部分の加工方法など試行錯誤を繰り返して、仕様の最適化を目指しました。
また「色」は、操作部(スイッチ部分)の背景に組子のデザインが盛り込まれていますが、この模様を茶・黒系統の濃淡で表現するため、コントラスト調整や裏打ち色の選定を慎重に進めました。
ロゴの白色も車体の白色を意識した色合いとするなど、車両コンセプトの具現化を目指し、様々な「こだわり」を詰め込みました。
今回、東武鉄道車両企画課のご担当様と弊社技術担当による意見交換を行いました。様々な課題の解決過程などをご案内し、東武様からも貴重なご意見を頂くなど、大変有意義なディスカッションとなりました。
スタンダードシート
明るい色合いのスタンダードシートは、ピッチが1,100mmと一般席としては大変広く設定され、シートバックテーブルやコンセントなど装備も充実しています。
スタンダードシートの5号車には、新しいバリアフリー基準に対応した車いすスペースが設けられています。
5号車に設置されたユニバーサルトイレは、車椅子が転回できるように広いスペースが確保されているほか、オストメイト対応便座、おむつ交換台なども設置されています。
このトイレにもたくさんのスイッチが搭載されていますが・・・弊社製はバックヤードのみ。
見える部分も弊社製をご採用頂けるよう精進したいと思います。
コックピットスイート
6号車の日光方は4名定員のコンパートメントが4室設けられています。
そして、浅草方先頭の乗務員室直後には7名定員のコックピットスイートが設けられています。
運転席
運転席も見せて頂きました。
運転席にはたくさんのスイッチが搭載されていますが、弊社製も数多く搭載されていました。
そしてなんと、運転席足元のハッチを開けて頂き、スペーシアXのノーズ部分内側を見せて頂くことができました!
滑らかな曲面を描く構体、LED式の前照灯・尾灯ユニットやワイパーの可動部などが設置されています。
今回、業務視察の機会を頂き「期待を超える」ものづくりへの「こだわり」の数々を拝見することができました。
様々な「こだわり」が詰め込まれた車両に弊社のスイッチも数多く採用され、大変光栄に感じています。
東武鉄道車両企画課のご担当様との意見交換においても「ものづくり」の楽しさ・醍醐味を感じ取ることができました。
今回の貴重な経験を活かし、スイッチメーカーとしての「こだわり」をもったものづくりに取り組んでいきたいと思います。
取材協力
東武鉄道株式会社様
動画でもご紹介します
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