SwitchLabo|スイッチラボ

スイッチラボはスイッチの基礎知識・技術情報から製品情報までスイッチ情報専門サイトです。

基礎知識

【スイッチの基礎】定格と負荷

2023年4月19日

定格と負荷の関係

スイッチの性能でもっとも重要なものの一つが定格です。
そのスイッチがどれくらいの電流・電圧(=負荷)まで使えるかという目安です。たとえば「6A 125VAC」のように表現されます。この場合、気をつけていただきたいのがこの定格の数値が「抵抗負荷」を前提とした値だということです。抵抗負荷以外で特に「誘導負荷」「ランプ負荷」「モータ負荷」「コンデンサ負荷」そして「直流負荷」といったものに対しては注意が必要です。実際にスイッチを選定される際には、回路の種別や使用条件を考慮し、十分な余裕度を持ったスイッチを選んでください。
以下の表は目安であり、絶対的なものではありません。必要な余裕度はスイッチの構造や個々の使用条件により異なります。

抵抗負荷

抵抗負荷は、スイッチに抵抗だけをつないだものですが、実際の回路では純粋な抵抗負荷はまずありません。
抵抗負荷だけと思われる回路でも、回路中には何らかの誘導分や容量分が含まれますので、定格電流の80%以下を目安としてください。

誘導負荷

誘導負荷とは、回路中にモータ、トランス、ソレノイドなどのコイルが使用されている回路です。この場合、遮断時に大きな逆誘導起電圧が発生しアークによってスイッチ接点への負担は大きくなります。
AC125Vで誘導負荷の力率が0.6の場合、電流容量を抵抗負荷の場合の1/2~1/3に抑える必要があります。(この1/2~1/3といった数字はあくまで目安です。以下も同様です。)

ランプ負荷

ランプ負荷とは、その名前の通りランプ(白熱電球)をつないだ時の負荷です。ランプのフィラメントが冷えた状態でスイッチを入れると、定常電流の10~15倍の過渡電流が流れ接点が溶け、溶着してしまうことがあります。ランプ負荷の場合の電流容量は、抵抗負荷の場合の1/4~1/5に抑える必要があります。

モータ負荷

モータは起動する際に、定常電流の3~8倍の突入電流(=スイッチを入れた瞬間に流れる電流)が流れ、接点の消耗が大きくなります。
モータの種類によって突入電流の大きさが違っています。モータ負荷の場合の電流容量は、抵抗負荷の場合の1/3に抑える必要があります。

コンデンサ負荷

コンデンサ負荷の場合、スイッチを入れた瞬間にコンデンサが電流を吸い込むため、非常に大きな突入電流が流れます。コンデンサ負荷の場合は、実負荷で突入電流の大きさを確認しそれが定格電流を超えない範囲で使用してください。

直流の場合

直流の場合は、交流と違い、電圧・電流が0になる点がないため、小負荷でも大きなアークが発生します。特にDC50V以上ではアークの持続時間も極端に長くなり、遮断できなくなることもあります。DC125Vでの電流容量はAC125Vに比べ、抵抗負荷で1/20、誘導負荷(力率=0.6) で1/30~1/40に抑える必要があります。

スイッチご選定の際には、以上の諸条件を参考にしていただきながら、 適切なスイッチの選定をお願いいたします。

サポート

スイッチに関するご相談・お問合せは、NKKスイッチズへ

NKKスイッチズは、産業用機器におけるスイッチ及びその周辺機器の製造及び販売を目的とするスイッチの専門企業です。
日本開閉器工業株式会社として発足し、創業60周年にあたる2014年に「NKKスイッチズ」と社名を変更いたしました。

スイッチラボは
スイッチの基礎知識・技術情報から製品情報まで
スイッチ情報専門サイトです。


TOP