防塵・防水性を表すIP
スイッチの防塵性・防水性は、IEC規格(国際電気標準化会議)に基づくIP表示(International Protection)を使用しています。
電気機器を覆う筐体に対し、人体(人体は手や足の指や腕など)や外来固形物(塵や砂など)、液体(水や雨水)がどの程度スイッチ内部へ侵入するのか保護の程度を視角的にコード化したものになります。
防塵性
表記の仕方はIP□□となり最初の□には防塵性を表記します。
防塵性は0~6までの7等級に区分され、数字が大きくなるごとに防塵性が向上します。
スイッチにおいては通常「4」または「6」が使用されます。
防水性
2番目の□には防水性を表記します。
防水性は0~8までの9等級に区分されています。
「7」は水深1mに30分没しても問題ないことを意味しています。(この場合、スイッチ操作はしないことが前提です。)
2つの数字の組み合わせでIP64、IP65、IP67などがあります。
IP67は「粉塵が内部に全く侵入せず、水深 1mに30分漬けても水が内部に侵入しない」防塵・防水性能になります。
下記はNKKスイッチズのカタログに記載されているIPに関する記述です。
特に防水性能に関してはIEC規格に則った上で、スイッチの試験方法が記載されています。
IPと防水性能の用語表現
IP67などの防塵・防水性が、ある部分に限定される場合があります。
パネル防水といって、パネルに取り付けた場合のパネル表面にのみ、防塵性・防水性を表現する場合があります。
「パネルシールIP67」のように言います。
これに対して、「全防水」と言ってスイッチ全体がIP67になっているものもあります。
WTやWR、WPといったシリーズのリード線付きタイプが「IP67全防水」になります。
防水キャップの役割
防塵性・防水性を得るためにの付属品として、ブッシングタイプのトグルスイッチや押ボタンスイッチ用に「防水キャップ」があります。
「防水キャップ」はゴムのキャップなどでスイッチの操作部とナット部分を覆うことにより、パネル表面からの粉塵や水の浸入を防止するものです。
丸洗い洗浄とは
他に、「丸洗い洗浄」に対応したスイッチがあります。
これは、はんだ付け用のフラックスを洗浄する際に短時間の防水性を確保しますが、IPグレードで示されるまでの防水性は持っていないものを言います。